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ウイスキーの熟成~樽の種類、熟成の意味、保管方法~

ウイスキー

先日、ウイスキーについての基礎知識とおすすめのシングルモルトについて記載しました。
今日はウイスキーの味に特に大きな影響を与える「熟成」の基本を紹介したいと思います。

先日ご紹介したように、ウイスキーは蒸留後、木樽に入れて熟成されます。
この熟成工程では長い時間をかけてウイスキーに樽の香りを移していきます。
つまり、ボトル詰めされたウイスキーでは熟成は進まないということになります。

このようにウイスキーの味は木樽の影響を大きく受けます。
木樽には以下のように、いくつかの種類のものがあります。

バレル(バーボン樽):容量180L
バーボンには内側を焼いた新樽しか使いません。古樽はモルトウイスキーやグレーンウイスキーの熟成に適しており、スコッチやジャパニーズウイスキーの熟成に使用されます。

ホッグスヘッド:容量230~250L
バレルを解体した側板を活用して大きく作った樽です。ホッグは養豚業者が使う言葉で食肉用の雄豚のことです。この樽と豚一頭の重さが同じことからつけられた名称と言われています。

パンチョン:容量480~500L
名前の由来は不明ですが、もともとはワインやビールの貯蔵に使用された樽を意味するようです。後述のシェリーバットと同様にサイズが大きく、形はずんぐりと太いのが特徴です。北米のホワイトオークを使用して作られます。

シェリーバット:容量480~500L
パンチョンと同様に大きいですが、形がやや長細くなっています。シェリー酒貯蔵用に使用されたものを使用してウイスキーを熟成することで、ウイスキー原酒にシェリー酒の味、香り、色が移って芳醇なウイスキーとなります。

また、ジャパニーズウイスキーでは日本産のオーク(ミズナラ)を使用したミズナラ樽などもあり、ミズナラ樽で熟成されたウイスキーには伽羅(きゃら)や白檀(びゃくだん)の香りがするといわれ、人気となっています。
一度シェリーを貯蔵する必要があるため数が少ないシェリー樽や、素材がそもそも貴重であるミズナラ樽は樽自体の価格が高騰しています。そのためこれらで熟成されたウイスキーの価格も上昇することが多いです。

さて、木樽に入れられたウイスキーはどのように熟成されるのでしょうか?
ウイスキーの熟成は温度や湿度が一定に保たれたウェアハウスと呼ばれる場所で複数段に積まれて熟成されます。
この過程で木樽のリグニンやタンニンがウイスキーに溶け出し、リグニンは長い時間とともに分解されて甘い香りを持つバニリンになります。タンニンは香りだけでなくウイスキーの琥珀色にも寄与します。
また、木樽は小さな穴を持っているため、樽の中のウイスキーの量は年に約2%減っていきます。
これをエンジェルズシェア(天使の分け前)と呼びます。
有名な単語で映画に使われていたりもするので耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

この熟成のためのウェアハウスですが、大きく二種類のウェアハウスがあります。
「ダンネージ式」と「ラック式」です。
ダンネージ式はスコットランドで続く伝統的なウェアハウスで、木樽を2~4段に積んで保管します。
一方でラック式は近代的なウェアハウスで、木樽を約10段に木樽を詰んで保管します。
ラック式では直接木樽を積むと下段の木樽に大きな重量がかかってしまうため、木樽には直接重量がかからないような構造の棚に木樽が保管されています。

私はこれまで日本の蒸留所ではニッカウヰスキー余市蒸留所、ニッカウヰスキー宮城狭蒸留所、サントリー山崎蒸留所、サントリー白州蒸留所と4つの蒸留所の見学に行きましたが、白州蒸留所のみがラック式で他の3つの蒸留所はダンネージ式でした。
ダンネージ式の方が湿度が高く、ウェアハウス内でのウイスキーの香りを強く感じるため、ウイスキーの保管庫をいう印象を強く受けると思います。

ダンネージ式ウェアハウス(余市蒸留所、宮城狭蒸留所、山崎蒸留所)

ラック式ウェアハウス(白州蒸留所)

海外の蒸留所ですと、スコットランドの蒸留所は基本的にダンネージ式です。
下の写真はアイラ島のBRUICHLADDICH蒸留所のウェアハウスですが、ジャパニーズウイスキーはスコッチウイスキーを手本にしたということもあって非常に似ています。
また、BRUICHLADDICH蒸留所では小さい樽で熟成している木樽も見ることができました。
小さい樽では木樽との非接触面積が大きくなるため、熟成が早く進みます。

また、余談ではありますが、木樽は通常はここまでの写真のように横向きに保管されます。
しかし、台湾のKAVALAN蒸留所は縦向きのダンネージ式(?)でした。
特徴的で面白かったのでこちらも写真を載せておきます。 

いかがだったでしょうか?
ウイスキー蒸留所を訪問してみたいと感じた方はぜひ一度見学に参加してみてください。
その際は、木樽の種類やウェアハウスのタイプなどもチェックポイントにしてみると、蒸留所見学がより楽しくなると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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